咽頭後膿瘍

咽頭後膿瘍

咽頭後膿瘍は、リンパ節および咽頭後腔の組織の化膿の結果として形成されます。感染性病原体は、鼻腔、鼻咽頭、耳管、中耳からリンパ管を通って侵入します。膿瘍は、インフルエンザ、麻疹、猩紅熱の合併症である場合もあり、咽頭後壁の粘膜が異物や固形食品によって損傷された場合にも発生することがあります。

通常、幼児期の栄養失調で衰弱した子供に観察されます。

症状、経過: 飲み込むときの窒息と鋭い痛みの訴えが典型的で、食べ物が鼻に入ることがよくあります。患者は食事を拒否します。膿瘍が鼻咽頭にある場合、鼻呼吸が妨げられ、閉じた鼻音が現れます。膿瘍が咽頭の下部に広がると、特に患者が直立姿勢にあるときに、喘鳴を伴う吸気性息切れが発生します。体温は39〜40℃に達します。頭の強制的な位置は特徴的です:頭は後ろに投げられ、痛みを伴う側に傾けられます。腫れは、下顎角の後ろおよび胸鎖乳突筋の前端に沿って観察されることがよくあります。

診断は咽頭鏡検査によって確認され、咽頭後壁の変動する腫れが明らかになります。病気の最初の数日間は、咽頭の後壁の球状の突起が片側に位置し、その後は正中線に沿って位置します。疑わしい場合には、診断用穿刺が実行されます。

合併症: 喉頭の入り口の急性の腫れ、または喉頭腔への膿の侵入による窒息を伴う自然開口。膿は首の大きな血管の領域に広がったり、椎前筋膜に沿って胸腔内に下降したりして、化膿性縦隔炎や気管の圧迫を引き起こす可能性があります。

治療: 咽頭後膿瘍を早期に切開し、続いて抗菌および解毒療法を行います。